旅の記録

羽衣の滝と羽衣ダム 落差270mの大瀑布と希少な自然石の砂防ダム 5年ぶりに遊歩道が復活

羽衣の滝と羽衣ダム 落差270mの大瀑布と希少な自然石の砂防ダム 5年ぶりに遊歩道が復活

photo aki kitsune

 

2013年5月 大規模な土砂崩落で通行が禁止に

北海道内最大の落差270メートルを誇る、羽衣の滝。その滝につながる、北海道東川町・天人峡の遊歩道が、11日、5年ぶりに再開した。2013年の土砂崩れ、16年の台風と、相次ぐ災害で流された遊歩道が復旧し、関係者は客足の回復に期待を寄せる。

羽衣の滝は、日本の滝百選にも選ばれた名瀑(めいばく)。天人峡温泉から遊歩道をたどれば、約15分でその姿を仰ぎ見ることができた。13年5月、遊歩道上部の山林斜面が高さ260メートル、幅80メートルにわたって崩れ、遊歩道が押しつぶされた。

復旧工事は始まったが、16年8月に大型台風が北海道を直撃、遊歩道がふたたび崩れた。流された橋を架け替え、土留めの柵も設置し、工事を終えたのは、昨年11月。道上川総合振興局によると、復旧費用は約1億9千万円にのぼった。

(出典:朝日新聞)

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2018年6月11日 2度の被災を越え、5年ぶりに遊歩道を再開

【天人峡温泉】2013年5月の大規模な土砂崩れで通行止めとなっていた東川町の天人峡温泉と「羽衣の滝」を結ぶ遊歩道が11日、5年ぶりに再開される。町とひがしかわ観光協会は市街地と天人峡温泉を結ぶ無料シャトルバスを運行するなど、客足が遠のいた同温泉への集客に努める。

 羽衣の滝は道内最大の落差約270メートルの「日本の滝百選」の一つ。同協会によると、天人峡温泉の宿泊客のうち約7割が滝を訪れるという人気名所で、「遊歩道閉鎖中は道外からも問い合わせが多かった」という。

(出典:北海道新聞)

 

 

羽衣の滝

大雪山系(大雪山国立公園)の東側、忠別川の侵食により形成された渓谷である天人峡の一角、忠別川の支流アイシポップ沢と双見沢にかかる。7段の滝の途中で2つの沢が合流している。

落差270mは北海道最大。日本国内でも立山の称名滝(350m)に次ぐ、日本第二位の滝とされる。

滝の上部は溶結凝灰岩、中部は軽石質凝灰岩、下部は第三紀火山岩で、異なる地質により浸蝕度に差が生じたことで7段に屈折した独特の美しい流れを作る。

 

羽衣ダム(羽衣堰堤)

「山津波」とも呼ばれる土石流は、豪雨が引き金になって起こる。土砂が雨水にまじり、すさまじい勢いでふもとに流れ、水分が多いと「鉄砲水」と呼ばれる。土砂災害は予測がむずかしく、発生すると被害規模が大きい恐ろしい災害だ。

昭和50年5月、台風6号で天人峡(松山)の総雨量は215.5mmを記録し、忠別川流域で土石流が発生した。

天人峡温泉では観光客619人が道道の決壊で孤立したほか(その後救助)、河岸決壊や道路決壊などを合わせ大きな被害に上った。

忠別川には5基の砂防ダムがあったが、この災害を契機に抜本的な対策が進められることに。

昭和53年から天人峡温泉上流に忠別川羽衣ダム、平成2年に忠別川第2号ダム、平成9年までに床固工が3基整備された。

羽衣ダムは国立公園内に位置し、下流に天人峡温泉街、270mの落差を飛瀑する「羽衣の滝」がある。このため羽衣ダムは、通常とは異なる自然石の石積み工法でつくられた。しかし、さまざまな石の中から最適なものを探すのは大変苦労した。その甲斐あって、弾むような忠別川のせせらぎに調和した、城石垣を思わせる美しくも頼もしい施設になった。

(出典:国土交通省 北海道開発局 札幌開発建設部 「忠別川直轄砂防事業【札幌開発建設部】治水100年」)

 

 

現地レポート

7月下旬、全面開通した遊歩道の様子を見に行ってきました。

 

こちらが駐車場(無料)。この駐車場よりも上の駐車場は、温泉ホテルの敷地内となるので宿泊者以外は駐車することができません
中央奥は温泉旅館のおやど敷島荘

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天人峡や羽衣の滝を紹介した自治体や観光案内のサイトでは、駐車場から徒歩15分程度という記述を目にしますが、この駐車場からは割合と急な坂道が続くこともあり、ゆっくり目に歩くと片道約25分程度を想定しておいたほうがよいです。

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階段になっている上に行くと、羽衣の滝と敷島の滝を一望できる滝見台まで1.5km
そして、トムラウシ方面への登山道ルートのひとつにもなっています

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羽衣橋。奥は天人閣

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羽衣橋から忠別川を見下ろす

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天人閣脇
ここまででも、けっこうな上りです。駐車場からおよそ5〜8分

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天人閣を背にして、川方向
左手前は天人閣の駐車場の角

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案内板

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なぜか地面に置かれてる看板
開通式のときにはどこかに吊り下げられていたのでしょうか…

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崖崩れで通行が禁止されていたときには、ここから先へは進めませんでした

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遊歩道を歩きはじめると一気に秘境感が出てきます

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崩落箇所はきれいに工事が行われていますが、なかなか怖いです…

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流されて新設された橋と右手は羽衣ダム

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橋を渡った先が、羽衣の滝の見学ポイントです

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到着です。ここからさらに1.5km進むと「敷島の滝」です

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羽衣の滝(滝全体を見るためには、滝見台へ登る必要があります)

そしてここで、既にお気づきの方も多くいらっしゃるかと思いますが…
この日は羽衣の滝まで一気に歩いてから撮影をはじめて、逆をたどって駐車場まで戻る予定だったのですが、なんと、滝に着いたところで機材NGが発覚!「うわぁぁぁ!」。暑かったんです。連日の移動で疲れていたんです。なので、予備機も、コンデジも、iPhoneすら持たず、レンズ2本とフィルタケースに三脚だけぶら下げて…

引き返して、もう一度、という時間も、元気もなく、同行スタッフのスマホのみに頼るという…平に平にm(_ _ ; )m

今シーズン中に、再訪を考えております…

 

遊歩道の脇を流れる忠別川の色、どこかで見たような?と思われた方。そうです、あれです。
美瑛町白金の「青い池」や「白髭の滝」と似た色合いですね。この川の水にも同様の属性物質が含まれていることで、同じような緑がかった発色をしています。

 

アクセス

所在地:北海道上川郡東川町松山温泉天人峡温泉

乗用車:旭川駅から約41km・およそ1時間

公共交通:天人峡温泉への公共の交通機関はありません。ホテル・旅館の宿泊者用送迎は各施設に問い合わせのこと

 

 

 

 

 

 

 

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