ウニは世界中でとれる
ウニは、深海から浅瀬の磯に至るまで、世界中の海に広く生息し、種類はおよそ870種が確認されているといわれています。そのうち食用可能なものは140種類ほどとされています。
その中でも、日本人が好んで食べているのが、ホンウニ亜目のバフンウニ、エゾバフンウニ、キタムラサキウニ、アカウニ、ムラサキウニなどで、沖縄ではサンショウウニ亜目のシラヒゲウニがそれにあたります。
海外では、フランスが世界第2位のウニ消費国で、年間1千トンが食べられています。
ウニの漁獲量は、2020年時点で、チリの3万7464トンが最大で、2位はロシアの9480トン。
以下、オーストラリア、中国と続き、日本は第5位でおよそ7800トン前後の漁獲量です。
日本のお隣韓国では、ムラサキウニ、バフンウニ、アカウニ、 エゾバフンウニの4種が商業捕獲されており、そのうち4割は日本に輸出されています。アカウニは、済州島でわずかに収穫されているそうです。
チリではチリウニの種苗生産が国の勧業となっていて、同国復興省外郭団体の漁業振興研究所(IFOP)を中心に進められています。
チリでは、殻径5ミリの種苗を年間400万個生産しているとされてます。
チリウニは、世界のウニ漁獲量の半分以上を占めています。
日本のウニの産地
日本の沿岸には約100種類以上のウニが生息しているといわれています。
この中で食用に適しているものは、ある程度の大きさと中の生殖巣が十分に発達しているものとなり、一般に、ムラサキウニ、キタムラサキウニ、バフンウニ、エゾバフンウニ、そして、アカウニ、サンショウウニ、ツガルウニ、シラヒゲウニなども市場に出ることがあります。
日本国内のウニの主要産地と漁獲量
順位 | 都道府県 | 漁獲量 | 全国シェア | 主要産地名(市町村名) |
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– | 全国計 | 7,880 (t) | 100% | – |
1位 | 北海道 | 4,528 (t) | 57.5% | 函館市、礼文町、根室市 |
2位 | 岩手県 | 922 (t) | 11.7% | 洋野町、宮古市、釜石市 |
3位 | 青森県 | 652 (t) | 8.3% | 大間町、東通村、佐井村 |
4位 | 宮城県 | 472 (t) | 6.0% | 女川町、石巻市、南三陸町 |
5位 | 山口県 | 238 (t) | 3.0% | 下関市、萩市、長門市 |
6位 | 長崎県 | 210 (t) | 2.7% | 壱岐市、長崎市、平戸市 |
7位 | 福岡県 | 204 (t) | 2.6% | 福岡市、北九州市、宗像市 |
8位 | 鹿児島県 | 187 (t) | 2.4% | 阿久根市、鹿児島市、垂水市 |
9位 | 熊本県 | 185 (t) | 2.3% | 天草市、苓北町、上天草市 |
10位 | 佐賀県 | 59 (t) | 0.7% |
※2019年資料
日本国内のウニ漁獲量は、北海道・岩手県・青森県の3道県でおよそ77%を占めています。
北海道のウニ
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北海道のうには4種類|地域・漁港ごとの漁期と旬 おいしいうにを食べるには - 北海道どうでしょう
カラスミ(ボラの卵巣の塩漬け)、このわた(なまこの腸の塩辛)、そして「うに」は、日本の三大珍味と称されています。
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岩手県のウニ
国産ウニの漁獲量2位を誇る岩手県の主な産地は洋野町、宮古市、釜石市で、約9割がキタムラサキウニです。
リアス海岸は、ウニが好む起伏に富んだ地形が海底に広がり、その豊かな海で育ったコンブやアラメなどの海藻をたくさん⾷べたウニは⾝⼊りも良く、まろやかな⾆触りと⼝の中に広がる磯の⾹り、⽢みも強く⼤変美味しいウニです。
収穫したら殻を開いて丁寧に⾝を取りだし、殺菌した海水と一緒に牛乳びんに詰めます。
みょうばんや保存料などを使用していないので、ウニ本来の味が存分に堪能できる季節の味です。
宮古市では、6月から8月の間にウニの口開け(漁解禁)が15回程度行われ、三陸の夏の味覚のウニを生で食べられる至福の季節を迎えます。
青森県のウニ
青森県で漁獲されるのはキタムラサキウニとエゾバフンウニの2種で、共にオオバフンウニ科に属します。
キタムラサキウニは「ノナ」とも呼ばれ、水深60m以浅の転石帯や岩礁帯に生息、大きいものでは殻が15cm以上にも成長します。
エゾバフンウニは「ガゼ」とも呼ばれ、水深20m以浅の転石帯や岩礁帯に生息、成長は大きくなっても7~8cmほどです。
キタムラサキウニは癖が少なく、後味がサッパリしています。エゾバフンウニは、旨味が濃厚で後味も強く残ります。
青森県県南地方の郷土料理で、冠婚葬祭に欠かせない「いちご煮」にもアワビとともにウニが贅沢に使用されています。
アカウニ
赤ウニは、東京より西南の地域にいて、産地は特に九州地方です。
中でも西九州が赤ウニの生産地の多くを占めています。
赤ウニは、比較的深い海底に生息し、少し扁平な形の直径5cmから8cmくらい、少し赤みがかった殻で、濃厚な甘みが抜群に旨さといわれます。
長崎県平戸や佐賀県唐津の物が最高級とされ、九州外に出回ることはほとんどないともいわれます。
赤ウニの産卵時期は、他のウニと少しずれていて10月中旬頃とされ、9月末の時期が、最高に美味しいとされています。
ウニのニュース 2023年
朝日浴びる三陸の絶景の中でウニ漁 岩手・宮古市田老で今季初解禁 身入りも上々
岩手県宮古市の田老地区で1日、今シーズン初めてウニ漁が解禁されました。
宮古市田老の景勝地・三王岩に近い海域では午前5時ごろ、漁師たちが海に繰り出していました。
1日朝の海は波も穏やかでウニ漁に適した条件となり、漁師たちは先に網が付いた5メートルから6メートルほどの竿と箱眼鏡を巧みに操り、次々とウニを引き上げていました。
今年はエサとなる海藻も豊富で身の入りも良いということです。
田老町漁協によりますと、新型コロナの5類移行も後押しして飲食店などの需要が高く、ウニの取り引き価格は高値を維持しているということです。
田老地区のウニ漁は8月までに15回ほど行われる予定です。
身入りがよくなる季節!ウニ漁シーズンスタート〈宮城〉
夏の時期に旬を迎えるウニ漁が、5月31日、宮城県南三陸町の戸倉地区で今シーズン初めて行われました。戸倉地区のウニ漁は、7月末まで行われる予定です。
県内のウニ漁は、これから旬を迎える夏の時期に本格的に行われ、県漁協の支所ごとに漁が始まります。南三陸町戸倉地区では、5月31日が今シーズン初めての漁となり、午前5時から漁師たちが漁場に向かいました。
ウニ漁は箱メガネで海底をのぞきながら、かぎの付いた竿を巧みに操り、岩場などにいるウニを引っかけてとります。漁を終えた船は次々と漁港に戻り、ウニを水揚げしていきました。戸倉地区では去年より30円高い1キロ当たり、530円で取引されました。
漁師
「これから身入りも良くなるし色も良くなるからね」
「海水で洗って食べるのが一番のぜいたく。やっぱここで食べるのが一番」
戸倉地区でのウニ漁は、7月末までにあと4回ほど行われる予定です。